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保証人なしで融資を受けたいと考えていても、「本当に借りられるのか」「どの制度を選べばよいのか」と迷う方は少なくありません。
近年は、経営者保証に依存しない融資制度や、無担保・無保証人で利用できる公的融資など、選択肢が広がりつつあるのが現状です。
ただし、利用条件や審査基準、金利・保証料などは制度ごとに異なるため、事前確認が欠かせません。
本記事では、保証人がいない場合の融資可否から代表的な融資制度、審査通過のポイントまで分かりやすく解説します。
保証人なしで融資を受けることは可能であり、経営者保証に依存しない融資を促す取り組みや、一定の要件で経営者保証を提供しない信用保証制度も整備されています。
ただし、すべての事業者が無条件で利用できるわけではなく、財務状況や法人と経営者の分離、情報開示などが審査される点には注意が必要です。
ここでは、経営者保証に関するガイドラインの基本的な考え方と、無保証融資が広がっている背景や近年の制度の動向を解説します。
経営者保証に関するガイドラインは、中小企業の経営者保証について、保証契約の締結や見直し、保証債務の整理に関する自主的なルールを示したものです。
具体的に、法人と経営者の資産・経理が分離され、法人だけの収益力で返済でき、財務情報を適時適切に開示できることなどが重要な観点とされています。
よって、これらを満たせば必ず保証が外れるわけではありませんが、経営者保証なしの融資を金融機関に前向きに検討してもらえる可能性は高まるでしょう。
経営者保証に依存しない融資は、2014年に適用が始まった経営者保証に関するガイドラインや、その後の金融行政による取り組みを背景に広がってきました。
さらに、2024年には一定の要件と保証料率の上乗せにより経営者保証を提供しないことを選べる信用保証制度も始まり、選択肢が拡大しています。
ただし、無保証の可否は金融機関や制度ごとの審査で決まるため、財務内容や資金使途を整えたうえで早めに相談することが欠かせません。
保証人なしで利用できる資金調達には、日本政策金融公庫や信用保証協会を活用する融資のほか、民間金融機関の商品やABLなど複数の選択肢があります。
また、クラウドファンディングや補助金・助成金のように、借入とは異なる方法で資金を確保する手段も検討することが可能です。
ここでは、保証人を立てずに資金を確保したい事業者が比較しやすいよう、代表的な7つの方法と注意点を解説します。
日本政策金融公庫では、創業期の方を対象に、新規開業・スタートアップ支援資金をはじめとする創業融資を幅広く提供しています。
具体的に、新たに事業を始める方や税務申告を2期終えていない方は、原則として無担保・無保証人で利用できるため、創業時の有力な選択肢になるでしょう。
ただし、事業計画の内容や資金使途などを確認する審査があるため、制度名や利用条件、必要書類を公式サイトの最新情報で必ず確認してから申し込んでください。
なお、旧・新創業融資制度の無担保・無保証人の仕組みは2024年4月以降、各種創業融資に拡充されています。
法人である中小企業者は、一定の要件を満たし保証料率の上乗せを受け入れることで、経営者保証を提供しないことを選択できる場合があります。
なお、代表的な事業者選択型経営者保証非提供制度では、財務情報の提出や法人と代表者の資金関係などが要件に含まれ、誰でも利用できるわけではありません。
ただし、利用可否や保証料の負担は条件によって変わるため、取引金融機関や信用保証協会へ早めに相談し、自社が要件を満たすか確認しましょう。
プロパー融資は、信用保証協会の保証を付けず、銀行や信用金庫などが自らの審査と責任で事業者へ直接貸し付ける融資です。
経営者保証を付けない取り扱いもありますが、可否は財務内容や返済能力、取引実績、資金使途などを踏まえた金融機関ごとの判断に委ねられます。
そのため、保証人なしを希望する場合は、決算書や事業計画を整えるだけでなく、日頃から経営状況を共有し、金融機関との信頼関係を着実に築いておくことが重要です。
ABLは、在庫や機械設備、売掛債権など事業が保有する資産の価値に着目し、それらを担保として資金を調達する方法です。
経営者保証を付けずに利用できる場合もありますが、ABLそのものが必ず無保証となる制度ではなく、担保評価や契約条件は金融機関ごとに大きく異なります。
そのため、利用を検討する際は、対象資産の内容や管理方法、評価額、担保設定に伴う制約を整理し、保証の要否も含めて金融機関へ具体的に詳しく確認してください。
ビジネスローンやノンバンクの事業者向け融資には、保証人不要の商品があり、銀行融資より手続きが簡素で早く資金化できる場合があります。
一方で、商品によっては代表者保証が必要となるほか、金利や利用限度額、返済期間などの条件も大きく異なるため、無保証だけで選ぶのは避けましょう。
そのため、申込前には実質的な返済負担と資金使途を確認し、複数の商品を比較したうえで、事業のキャッシュフローに無理のない借入額を決めることが大切です。
クラウドファンディングは、インターネットを通じて多数の支援者や投資家から資金を集める方法で、一般的な融資とは仕組みが異なります。
たとえば、購入型では商品やサービスなどのリターンを提供し、投資型では類型に応じて配当や株式などが関係するため、適用されるルールも同じではありません。
ただし、目標額に届かなければ資金を受け取れない方式や手数料が発生するサービスもあるため、募集条件と費用を確認して計画的に活用してください。
補助金や助成金は、一定の政策目的に沿って国や自治体などが事業者を支援する制度であり、融資とは異なり原則として返済を前提としません。
ただし、対象経費や申請期間、審査・採択の有無、実績報告などの条件があり、採択されても支出後に交付される制度では先に資金を用意する必要があります。
そのため、保証人不要という点だけで判断せず、公募要領や交付時期を確認し、自己資金や融資と組み合わせた資金繰りを考えることが重要です。
なお、補助金・助成金の利用を検討する際は、必要に応じて有資格者へ相談・依頼することを推奨します。
保証人なしで融資を受けるには、金融機関が経営者保証に頼らず返済可能性を判断できる材料を整えることが重要です。
特に、法人と経営者個人の分離、安定したキャッシュフロー、適切な財務情報の開示は、経営者保証に関するガイドラインでも重視されています。
さらに、担保や事業計画も審査材料になり得るため、ここでは融資申請前に整えておきたい5つのポイントを解説します。
経営者保証なしの融資を目指す場合は、法人と経営者個人の資産や経理を明確に分け、会社のお金を私的に利用しない管理体制を整えることが重要です。
たとえば、法人名義の口座を使って売上や経費を管理し、役員への貸付金や過度な資金移動を避けることで、会社と個人の関係を説明しやすくなります。
こうした分離は経営者保証に関するガイドラインでも重要な観点とされているため、日常の経理から継続して適正な管理を行ってください。
保証人なしの融資では、事業から継続的に返済原資を生み出せることを、売上や利益、資金繰りなどの数値で分かりやすく説明することが重要です。
たとえば、直近の決算書に加えて月次の試算表や資金繰り表を用意すると、足元の業績や今後の返済余力を金融機関へ具体的に示せます。
ただし、過去2~3年分の資料が必ず必要とは限らないため、創業年数や申込制度に応じて求められる資料を事前に確認し、一貫性のある数字で説明しましょう。
決算書や試算表などの財務情報を適時に開示すると、金融機関が会社の収益力や資産状況、資金繰りを把握しやすくなり、審査の判断材料が増えます。
特に、経営者保証に関するガイドラインでは、金融機関に対して財務情報を適時適切に開示することが重要な観点の1つとして示されています。
なお、数字が悪い時だけ提出を避けるのではなく、その原因や改善策も含めて説明し、継続的に情報を共有する姿勢を示すことが信頼につながるでしょう。
不動産や有価証券、事業用資産などの担保を用意できれば、金融機関の回収可能性を補完できるため、保証人なしの融資を検討する際の材料になる場合があります。
ただし、担保があれば必ず審査に通るわけではなく、資産の評価額や換価性、既存の担保設定、融資条件などを踏まえて金融機関が総合的に判断します。
また、担保提供には返済できない場合に資産を失うリスクもあるため、必要性と借入条件を比較し、無理のない範囲で活用してください。
事業計画書では、必要な資金額と使い道、売上・利益の見込み、返済原資を具体的な根拠とともに示し、計画の実現可能性を伝えることが重要です。
また、市場規模や競合との差別化、想定されるリスクと対応策まで整理しておくと、金融機関が将来の収益性をより判断しやすくなります。
そのため、希望的な数字だけを並べるのではなく、既存の実績や見積書、市場データなどと整合させ、第三者が読んでも十分かつ容易に理解できる計画に仕上げましょう。
保証人なしで融資を受ける方法には、日本政策金融公庫の創業融資や信用保証協会の制度、民間金融機関のプロパー融資、ABL、ビジネスローンなどがあります。
ただし、無保証であれば誰でも利用できるわけではなく、法人と経営者個人の資産・経理の分離、安定した返済能力、財務情報の開示などが重要です。
また、金利や保証料、融資限度額などの条件は制度ごとに異なるため、複数の選択肢を比較する必要があります。
自社の資金状況や必要額、返済計画を整理し、金融機関へ早めに相談したうえで、自社に合った資金調達方法を選びましょう。

葭中 直博
YOSHINAKA NAOHIRO
営業統括部長
資格
貸金業務取扱主任資格者・3級ファイナンシャル・プランニング技能士
略歴
大手金融会社で1996年より融資部門において営業・業務管理などの管理職を歴任。
2009年8月より株式会社アップスに入社し、現在営業部トップの営業統括部長として日々金融部門のディレクションを行っている。
座右の銘
愚行遺残(ぐこういざん)
根気よく努力を続ければ、山をも動かせるなど、どんなに難しいことでもいつかは必ず成功させれること