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公開日 2026.09.30 更新日 2026.09.30

税金滞納中でも融資は受けられる?資金調達方法と対処法を解説

税金を滞納していると、銀行や日本政策金融公庫などの融資審査で不利になり、必要な事業資金を確保しにくくなる場合があります。

 

ただし、滞納中でも利用を検討できる資金調達方法があり、税務署や自治体へ早めに相談することで状況の悪化を防げるケースも少なくありません。

 

本記事では、税金滞納が融資へ与える影響や滞納を解消する方法、具体的な資金調達手段、融資を申し込む前に確認したいポイントまで分かりやすく解説します。

税金を滞納中だと融資審査で不利になりやすい理由

税金を滞納していると、金融機関・商品・滞納状況によっては資金繰りや返済能力に懸念があると判断されやすく、通常の融資審査では不利になる傾向があります。

 

納税状況は事業の信用力を確認する材料の一つであり、未納があるままでは希望額や条件にかかわらず審査が厳しくなるでしょう。

 

ここでは、日本政策金融公庫や銀行の審査、信用力への影響という観点から、税金滞納中に融資が難しくなる理由を解説します。

日本政策金融公庫では制度・申込内容に応じて納税関係書類の提出を求められる

日本政策金融公庫の融資では、申込内容や制度に応じて納税状況を確認できる書類が求められ、未納がある場合は重要な審査上の懸念材料になります。

 

また、納税証明書には納付済額や未納税額などを確認できる種類があるため、提出を求められた際は現在の納税状況が金融機関側にも伝わります。

 

そのため、税金を滞納したまま申し込むより、まず未納額や納付方法を確認し、必要に応じて税務署や自治体へ早めに相談してから融資を検討してください。

 

なお、必要書類は制度・申込内容によって異なるため、事前の確認が必要です。

銀行融資でも税金滞納は審査で不利になる

銀行融資でも、税金の滞納があると資金繰りや返済能力に不安があると受け取られ、審査で不利になる可能性があります。

 

たとえば、法人税や消費税、住民税などの未納が確認されると、事業の収支だけでなく納付義務を継続して履行できるかという点も総合的に慎重に見られるでしょう。

 

また、融資の種類によって納税証明書などの提出を求められる場合があるため、申込前に未納額を把握し、納税相談や解消の具体的な見通しを整えておくことが重要です。

信用情報や返済能力への影響

税金の滞納そのものが個人信用情報機関へ直接登録されるとは限りませんが、融資審査では返済能力や資金繰りを判断する重要な材料になります。

 

具体的に、納税証明書や決算書などから未納が確認されれば、金融機関は継続的な支払いに余力があるかを慎重に確認するため、審査条件が厳しくなるでしょう。

 

さらに、滞納が続いて延滞税や延滞金、差押えの負担まで生じると手元資金が減るため、融資を検討する前に納税状況を整理しておくことが大切です。

税金滞納を解消するための具体的な対処法

税金を滞納した場合は、放置せず早い段階で納付方法を見直すことで、延滞負担や差押えなどのリスクを抑えられる可能性があります。

 

一括での納付が難しくても、事情によっては分割での納付相談や納税・換価の猶予制度を利用できるため、資金状況に合った対応を検討しましょう。

 

ここでは、税務署や自治体への相談から分割納付、猶予制度まで、滞納解消に向けて実行しやすい方法を解説します。

税務署や自治体の窓口で早めに相談する

税金を滞納した場合は、延滞負担や差押えなどの手続きが進む前に、税務署や自治体の担当窓口へできるだけ早めに相談することが重要です。

 

たとえば、現在の収入や事業収支、未納額、一括納付が難しい理由を具体的に伝えると、利用できる制度や今後の納付方法を現実的に確認しやすくなります。

 

一方で、相談しただけで必ず分割や猶予が認められるわけではありませんが、放置するより対応の選択肢を把握できるため、通知が届いた段階で早めに連絡してください。

分割納付で無理なく完済を目指す

一括で税金を納めることが難しい場合は、税務署や自治体へ相談し、収支状況に応じた分割納付を認めてもらえることがあります。

 

また、毎月の売上や生活費、他の支払いを整理したうえで納付可能額を伝えると、現実的な計画を検討しやすくなり、滞納の長期化も防ぎやすいでしょう。

 

ただし、分割納付中でも延滞税や延滞金が生じる場合があり、約束した納付が遅れると処分が進む可能性もあるため、無理のない納付額を設定して着実に続けてください。

国税の納税の猶予・地方税の徴収猶予を活用する

徴収猶予は、災害や病気、事業の休廃止など一定の事情によって一時に納税することが難しい場合に、要件を満たせば納付を猶予してもらえる制度です。

 

具体的に、認められると猶予期間中の差押えや換価が制限されるほか、延滞税の全部または一部が免除される場合もあり、資金繰りを立て直す余地が生まれます。

 

ただし、利用には申請や資料提出が必要になるため、対象になる事情や期限を自己判断せず、できるだけ早く税務署や自治体へ相談して確認してください。

換価の猶予で財産の換価を猶予してもらう

換価の猶予は、財産を一時的に納付することで、事業継続や生活維持が難しくなる場合などに、要件を満たせば、すでに差し押さえられた財産の換価が猶予され、差押えの猶予・解除が認められることがあります。

 

また、申請による換価の猶予は原則1年以内が目安で、事情によって延長が認められる場合もあるため、その間に分割納付を計画的に進めて完納を目指します。

 

ただし、申請期限や担保の要否など条件があり、延滞税も一定範囲で発生するため、差押え後に慌てるのではなく早めに適用可否を確認しましょう。

税金滞納中でも活用できる資金調達方法

税金を滞納していると銀行や公的融資の審査は厳しくなりますが、資産や売掛債権の状況によっては別の資金確保策を検討できる場合があります。

 

ただし、利用できるかどうかや費用負担は方法ごとに異なり、滞納中なら無条件で使えるわけではないため、返済や手数料まで含めた比較が欠かせません。

 

ここでは、主な資金調達方法の特徴を解説します。

売掛債権を現金化するファクタリング

ファクタリングは、保有する売掛債権を事業者へ譲渡し、支払期日前に現金化する方法であり、一般的な融資とは仕組みが異なります。

 

ただし、審査では売掛先や債権の内容が重視されるため、税金を滞納していても利用できる場合がありますが、未納状況だけで可否が決まるわけではありません。

 

また、手数料や契約条件、償還請求権の有無などを確認せず契約すると資金繰りを圧迫するおそれがあるため、複数社を比較し、契約内容を十分に確認してください。

 

さらに、ファクタリング会社のなかには悪徳業者や、違法性が疑われるサービスを提供している会社も存在するので、契約前にしっかりとチェックすることが大切です。

不動産を活かす不動産担保ローン

不動産担保ローンは、土地や建物などを担保に設定して借入れを行う方法で、担保価値や返済能力を踏まえて融資条件が審査されます。

 

税金を滞納している場合でも申込み自体ができる商品はありますが、対象不動産に差押えがある場合や納税状況が悪い場合は審査が厳しくなるでしょう。

 

ただし、返済できなければ担保不動産を失うおそれもあるため、借入額や金利だけでなく、滞納税の解消計画と返済原資を整理したうえで慎重に検討してください。

ノンバンク系のビジネスローン

ノンバンク系のビジネスローンは、銀行とは異なる審査基準を設けている商品もあり、事業実績や売上、返済計画を重視して判断される場合があります。

 

なお、税金を滞納していても申込みできる商品はありますが、納税証明書の提出条件や審査方針は事業者ごとに異なるため、必ず利用できるとは限りません。

 

また、銀行融資より金利や手数料が高く、返済期間が短い商品もあるため、急ぎの資金調達ほど総返済額と返済日程を確認してから申し込みましょう。

返済不要の補助金・助成金

補助金や助成金は原則として返済不要の資金ですが、制度ごとに対象者や経費、申請時期、納税状況などの要件が細かく定められています。

 

また、税金を滞納していても申請できる制度がある一方、未納がないことや納税証明書の提出を条件とする制度もあるため、募集要項の確認が欠かせません。

 

さらに、受給までに審査や実績報告が必要で、すぐに現金を得られる手段とは限らないため、滞納税の支払いに充てる前提ではなく、中長期の事業資金として検討してください。

 

なお、補助金・助成金の利用を検討する際は、必要に応じて有資格者へ相談・依頼することをおすすめします。

遊休資産の売却によるキャッシュ化

使っていない不動産や車両、機械、在庫などの遊休資産を売却すれば、新たな借入れを増やさずに必要な現金を確保できる可能性があります。

 

また、売却代金を滞納税や運転資金へ回せるほか、保管費や維持費がかかる資産を整理できれば、その後の固定費削減にもつながるでしょう。

 

ただし、事業継続に必要な設備まで急いで売ると売上へ影響するため、複数の査定結果や売却条件を比較し、手放しても支障が少ない資産から優先して検討してください。

税金滞納中に融資を申し込む前に押さえるべきポイント

税金を滞納したまま融資を申し込むなら、申込先を探す前に、納税状況と返済計画を客観的に説明できる準備を整えることが重要です。

 

未納額や納付見込みが曖昧なままでは、事業に収益力があっても資金管理への懸念が残り、審査で不利になる可能性があります。

 

ここでは、納税証明書の確認、事業計画書による返済能力の説明、税理士など専門家への相談という3つのポイントを解説します。

納税証明書の準備状況を確認する

融資を申し込む前に、必要となる納税証明書の種類と、自社や本人の未納状況を確認しておくと、審査時の説明や対応を進めやすくなります。

 

なお、納税証明書には税目や証明内容ごとに種類があり、申込先によって必要書類が異なるため、先に金融機関へ確認してから取得する方が確実でしょう。

 

また、未納がある場合はその事実を隠すのではなく、未納額や納付予定、猶予制度の利用状況などを整理し、追加資料を求められた際に説明できる状態へ整えてください。

事業計画書で返済能力を示す

事業計画書では、将来の売上見込みだけでなく、資金使途や経費、借入後の返済原資を具体的な数値で示し、返済可能性を説明することが重要です。

 

ただし、税金を滞納している場合は未納額をどの資金から、どの程度の期間で納めるのかも計画に組み込み、通常の返済と両立できる根拠を示す必要があります。

 

また、楽観的な売上予測だけでは信用を得にくいため、過去の実績や受注状況など客観的な資料を添え、金融機関が確認しやすい計画にまとめましょう。

税理士など専門家に相談する

税金の滞納と融資を同時に整理する必要がある場合は、税理士などの専門家へ相談すると、納税状況や資金繰りを客観的に把握しやすくなります。

 

なお、税理士は税務申告や納税相談を支援できますが、融資審査の可否を保証する立場ではないため、依頼できる範囲と費用を事前に確認して利用することが大切です。

 

また、融資や事業再生まで含めた支援が必要なら、金融機関や公的な経営相談窓口とも連携し、自社の状況に合う相談先を選んでください。

まとめ:税金滞納中でも資金調達は可能です

税金を滞納していると、銀行や日本政策金融公庫などの融資審査において、納税状況や返済能力への懸念から不利になりかねません。

 

一方で、ファクタリングや不動産担保ローン、遊休資産の売却など、状況によっては検討できる資金調達方法もあります。

 

ただし、資金調達だけを優先して滞納を放置すると、延滞税や差押えなどの負担が大きくなるおそれがあるため注意が必要です。

 

まずは未納額や収支を整理し、税務署や自治体へ早めに相談したうえで、返済や手数料まで含めて無理のない資金調達方法を選んでください。

監修者

葭中 直博
YOSHINAKA NAOHIRO

営業統括部長

資格

貸金業務取扱主任資格者・3級ファイナンシャル・プランニング技能士

略歴

大手金融会社で1996年より融資部門において営業・業務管理などの管理職を歴任。
2009年8月より株式会社アップスに入社し、現在営業部トップの営業統括部長として日々金融部門のディレクションを行っている。

座右の銘

愚行遺残(ぐこういざん)
根気よく努力を続ければ、山をも動かせるなど、どんなに難しいことでもいつかは必ず成功させれること