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「資金繰りが厳しくなってきたけど、このままで大丈夫だろうか」「取引先への支払いが滞りそうで心配」と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
会社の資金繰りが悪化すると、日々の経営に大きな不安を抱えることになります。
しかし、原因や改善策を知ることで、状況を少しでも良い方向へ導くことができるでしょう。
本記事では、資金繰りが悪化したといえるサインや主な原因、改善するための具体的な方法などについて解説します。
会社の資金繰りを立て直すという前向きな行動につなげるために、ぜひ参考にしてみてください。
資金繰りが悪化すると、手元資金の減少や支払いの遅れ、借入への依存、売掛金の回収遅延など、日々の資金の動きに変化が現れます。
小さな兆候を見逃すと資金ショートにつながるおそれがあるため、早めの把握が重要です。
ここでは、注意したい3つのサインを解説します。
手元資金が慢性的に不足している状態は、資金繰り悪化を示す代表的なサインです。
給与や仕入れ代金、家賃などの日常的な支払いに必要な現金を十分に確保できないと、突発的な支出にも対応しにくくなります。
この原因としては、売上の減少や売掛金の回収遅延、支払いの集中などが考えられます。
また、不足分を借入で補い続けると返済負担が増えることも少なくありません。
資金残高の推移を定期的に確認し、不足が続く場合は早めに原因を把握して対策を検討することが大切です。
取引先への支払いが遅れたり、資金不足を補うための借入が増えたりしている場合は、資金繰りが悪化している可能性があります。
支払いの遅延が続くと、取引先との関係に影響し、今後の取引条件が厳しくなるでしょう。
また、借入によって一時的に資金を確保できても、返済額が増えれば将来の資金繰りを圧迫するケースも考えられます。
そのため、支払い予定と返済額を資金繰り表で確認し、必要に応じて支出の見直しや入金条件の調整などを早めに検討することが重要です。
売掛金の回収が予定より遅れると、売上を計上していても現金が入らず、手元資金が不足しやすくなります。
特に、仕入れ代金や給与などの支払日が先に到来すると、資金繰りへの影響が大きくなるため注意が必要です。
回収遅延の原因には、取引先の資金事情や請求内容の確認遅れなど、さまざまな要因があります。
そのため、売掛金の入金予定日と実際の入金状況を定期的に確認し、遅れがあれば早めに取引先へ確認しましょう。
また、回収条件や請求手順を見直すことも、資金繰りの安定につながります。
会社の資金繰りが悪化する原因は、売上減少だけではありません。
在庫や仕入れコストの増加、入出金のずれ、固定費や借入返済の負担、取引先の倒産などが重なることで、手元資金が不足しやすくなります。
ここでは、資金繰りを圧迫する主な6つの原因を解説します。
売上が減少すると会社に入る資金が少なくなり、給与や仕入れ代金、家賃、借入返済などの支払いに充てる現金が不足しやすくなります。
特に、固定費は売上が落ちてもすぐには減らせないため、収入の減少が続くほど手元資金への負担は大きくなるでしょう。
また、売上減少の背景には、取引先の減少や競争激化、景気変動、季節要因などがあります。
そのため、売上の推移を定期的に確認し、減少傾向が見られた場合は、早めに原因を特定して対策を検討することが重要です。
過剰在庫が増えると、仕入れに使った資金が商品や材料の形で滞留し、現金として回収できるまで時間がかかります。
また、原材料費や商品の仕入れ価格が上昇すると、同じ量を確保するためにより多くの資金が必要です。
売上が伸びないまま在庫や仕入れ負担だけが増えれば、手元資金は減少しやすくなるでしょう。
そのため、販売状況に合わせて適正在庫を管理し、仕入れ量や価格、発注条件を定期的に見直すことが、資金繰りの悪化を防ぐうえで重要です。
売掛金の入金より買掛金の支払いが先になると、売上を計上していても手元資金が不足しやすくなります。
たとえば、売掛金の回収が2か月後で、仕入れ代金を翌月に支払う条件では、その間の資金を別途確保しなければなりません。
また、取引先からの入金が遅れれば、予定していた支払いに影響する可能性もあります。
資金繰りを安定させるには、売掛金の回収日と買掛金の支払日を把握し、必要に応じて回収条件や支払条件を取引先と調整することが大切です。
設備投資や固定費の増加も、資金繰りを圧迫する原因になります。
設備を購入するとまとまった現金が必要になるほか、借入を利用した場合は返済負担も生じます。
また、家賃や人件費、リース料などの固定費は、売上が減少しても継続して支払わなければなりません。
さらに、想定した売上が得られない場合、こうした支出が手元資金を減らす要因になるでしょう。
そのため、設備投資は資金計画を立てて実施し、固定費も定期的に見直して、事業規模に合った支出水準を保つことが重要です。
借入金の返済額が増えると、毎月の元本や利息の支払いによって手元資金が減り、仕入れや人件費などに使える資金が少なくなります。
特に、売上や利益が伸びていない状態で返済負担だけが増えると、資金繰りが厳しくなりやすいでしょう。
また、返済のために新たな借入を繰り返すと、将来の返済負担がさらに増える可能性があります。
返済が難しくなる前に資金繰り表で今後の支払いを確認し、必要に応じて金融機関へ返済条件について早めに相談することが大切です。
取引先が倒産すると、予定していた売掛金を回収できず、自社の手元資金が急減する可能性があります。
特に、売上の多くを特定の取引先に依存している場合は、1社の倒産でも資金繰りへの影響が大きくなりやすいでしょう。
また、入金がなくても給与や仕入れ代金などの支払いは続くため、資金不足につながるおそれがあります。
こうしたリスクを抑えるには、取引先の信用状況や入金状況を継続的に確認し、取引先を分散するなど、特定企業への依存度を高めすぎないことが重要です。
資金繰りを改善するには、まず現状を把握し、入金と支払いのタイミング、在庫や固定費、借入返済などを見直すことが重要です。
必要に応じて取引先や金融機関との条件調整も検討しましょう。
ここでは、資金繰り改善につながる具体的な6つの方法を解説します。
資金繰り表を作成すると、毎月の入金予定と支払い予定、月末時点の現金残高を把握しやすくなります。
具体的に、売上の入金日や仕入れ代金、家賃、給与、借入返済などを時系列で整理すれば、いつ資金不足が起こりそうかを事前に確認できるでしょう。
また、不足が見込まれる時期が分かれば、金融機関への相談や支払い条件の調整なども早めに検討できます。
実績と予定を定期的に更新し、将来の資金残高を継続して確認することが大切です。
売掛金の回収サイトが長いと、売上を計上していても現金が入るまで時間がかかり、手元資金が不足しやすくなります。
そのため、可能であれば取引先と入金条件を相談し、支払期限の短縮や前金・一部前払いなどを検討しましょう。
また、請求書を速やかに発行し、入金予定日を過ぎた場合は早めに確認することも重要です。
ただし、条件変更は取引先との合意が前提となります。
継続的に回収状況を管理し、入金までの期間を必要以上に長くしないことが大切です。
買掛金や各種支払いの条件を見直すことで、短期的な資金負担を抑えられる場合があります。
たとえば、支払日が集中している場合は、取引先に支払期限の変更や分割払いの可否を相談するのも一つの方法です。
ただし、一方的に支払いを遅らせると信用低下につながるおそれがあるため、必ず事前に合意を得ることが重要です。
また、条件変更によって追加費用が発生しないかも確認しましょう。
資金繰り表と照らし合わせながら、無理のない支払条件へ調整することが大切です。
長期間売れていない在庫や使用していない設備、車両などを保有し続けると、現金化できないだけでなく、保管費や維持費が発生する場合があります。
そのため、不要な在庫は値下げ販売などで現金化し、稼働していない固定資産は売却の可否を検討しましょう。
ただし、処分価格が帳簿価額を下回る場合や、売却によって事業運営に支障が出る場合もあります。
資産ごとの必要性や売却条件を確認したうえで、資金繰り改善につながるものから見直すことが大切です。
資金繰りを改善するには、毎月発生している固定費や変動費を洗い出し、不要な支出がないか確認することが重要です。
たとえば、利用していないサービスやリース契約、過剰な広告費、外注費などは見直せる場合があります。
また、仕入先や外注先を比較し、価格や契約条件を再検討するのも一つの方法です。
ただし、必要な人員や品質に関わる費用まで削減すると、売上や事業運営に悪影響が出かねません。
収益への影響を確認しながら、継続的に支出を見直しましょう。
借入金の返済負担が重く、今後の支払いが難しくなる可能性がある場合は、延滞する前に金融機関へ返済条件の変更を相談する方法があります。
たとえば、返済期間の延長や一定期間の元金返済据え置きなどが検討される場合もありますが、必ず認められるわけではありません。
そのため、相談時には資金繰り表や決算書、今後の収支改善策などを準備し、現状と返済見通しを具体的に説明することが重要です。
条件変更後も、売上改善やコスト削減など根本的な収支改善を進めましょう。
資金繰りを立て直すには、借入だけでなく、売掛金の早期現金化や返済不要の支援制度など、複数の資金調達方法を比較することが重要です。
必要な時期や金額、返済負担に応じて選択肢は異なります。
ここでは、代表的な4つの資金調達手段と注意点を解説します。
資金繰りを立て直す手段として、銀行融資や日本政策金融公庫の融資制度を検討できます。
銀行では事業実績や財務状況、返済能力などが確認され、日本政策金融公庫でも事業計画や資金使途、返済見通しなどを踏まえて審査が行われます。
ただし、どちらも申込から融資まで一定の時間がかかる場合があるため、早めの相談が重要です。
また、利用する際は資金繰り表や決算書などを準備し、必要額と返済計画を具体的に説明できるようにしておきましょう。
ファクタリングは、保有する売掛債権をファクタリング会社へ売却し、入金期日前に現金化する方法です。
融資ではないため借入金は増えませんが、利用時には手数料が発生し、受け取れる金額は売掛債権の額面を下回ります。
また、契約方式や売掛先の信用状況によって条件も異なります。
そのため、急ぎで資金を確保したい場合でも、手数料や入金時期、契約内容を確認し、複数社を比較したうえで利用することが大切です。
ただし、ファクタリング会社のなかには悪徳業者や、違法性が疑われるサービスを提供している会社も存在するので、契約前にしっかりとチェックすることが欠かせません。
補助金・助成金は、国や自治体などが事業者を支援するために設けている制度で、要件を満たして受給できれば原則として返済は不要です。
設備投資や販路開拓、人材雇用など、制度ごとに対象となる事業や経費が定められています。
ただし、申請すれば必ず受給できるわけではなく、審査や採択が必要な制度もあります。
また、支給までに時間がかかるケースもあるため、急な資金不足への対応には向かない場合があるでしょう。
補助金・助成金の利用を検討する際は、必要に応じて有資格者へ相談・依頼することが大切です。
ビジネスローンは、事業資金を比較的スピーディーに借りられる商品もあり、急ぎの資金調達で検討される方法です。
ただし、金利や限度額、返済期間は商品ごとに異なるため、返済総額まで確認する必要があります。
一方、クラウドファンディングは、インターネット上で事業や商品への支援を募る方法で、購入型や投資型など複数の仕組みがあります。
調達までの期間や手数料、目標額を達成できない可能性も踏まえ、自社の目的に合う方法を選びましょう。
会社の資金繰り悪化を防ぐには、売上や利益だけでなく、日々の現金の流れを継続的に把握することが重要です。
手元資金の減少や売掛金の回収遅延、支払いの遅れなどが見られた場合は、資金繰り表で不足する時期と金額を確認し、早めに対策を検討しましょう。
売掛金や支払条件の見直し、不要資産の処分、コスト削減に加え、必要に応じて金融機関への相談や資金調達も選択肢となります。
また、月次で資金繰りを予測し、適正な運転資金を確保する習慣も大切です。
問題が深刻になる前に税理士や金融機関、中小企業支援機関などへ相談し、自社の状況に合った方法で早めに対応することが、安定した事業継続につながります。

葭中 直博
YOSHINAKA NAOHIRO
営業統括部長
資格
貸金業務取扱主任資格者・3級ファイナンシャル・プランニング技能士
略歴
大手金融会社で1996年より融資部門において営業・業務管理などの管理職を歴任。
2009年8月より株式会社アップスに入社し、現在営業部トップの営業統括部長として日々金融部門のディレクションを行っている。
座右の銘
愚行遺残(ぐこういざん)
根気よく努力を続ければ、山をも動かせるなど、どんなに難しいことでもいつかは必ず成功させれること